ステルスマーケティングについて見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか。
本来であれば許されない行為なのですが、このステルスマーケティングがなくなることはありません。
ここでは、改めてステルスマーケティングという行為についてお話ししていきたいと思います。
この記事の全体像
そそもそもステルスマーケティングとは?
そもそもステルスマーケティングというのは、具体的にはどのような行為を指すのでしょうか。
一般的には「ステマ」と略して呼ばれることが多いステルスマーケティングなのですが、これは簡単に言ってしまえばやらせやサクラのことを指します。
例えば、企業の関係者があたかも一般の消費者であるかのように見せて、自社の商品やサービスのレビューをおこなうといったことが挙げられます。
最近では何かを購入するときや利用するときには事前にインターネットで口コミや評判を調べるという方がほとんどです。
検索して出てきた口コミや評判の中には、関係者が一般の消費者を装って絶賛しているようなものもあるかもしれません。
他にも一般の消費者にお金を渡して商品やサービスを絶賛してもらうといったやり方もあります。
やり方はいろいろとあるのですが、共通しているのは消費者を騙して商品やサービスを購入させるという部分です。
ステルスマーケティングを一躍有名にしたのがペニーオークション
ステルスマーケティングというのは昔からおこなわれていた行為なのですが、それを一躍有名にしたのがペニーオークションです。
ペニーオークションは入札するだけで手数料がかかるオークションで、落札できてもできなくてもお金を支払うことになるサービスでした。
本当は落札していないのにも関わらず、「ペニオクで落札しました!」といった投稿を芸能人がするようになり、それが後で大きな問題になったのです。
これらの投稿をしていた芸能人というのは、業者からお金をもらった上で嘘の投稿をしていたのです。
有名な芸能人が多く関わっていたこともあり、この事件をきっかけにステルスマーケティングというものが一気に知られるようになったのです。
テレビ番組で涙ながらに謝罪をしていた方もいますが、この事件に関わっていた芸能人というのはそのほとんどが芸能界から姿を消してしまいました。
それほどまでに大きな事件だったということです。
なぜステルスマーケティングはなくならないのか?
ステルスマーケティングに関しては、過去に損害賠償を求める訴訟にまで発展しているものもあります。
ペニーオークションに関わった芸能人の末路などを考えてみても、とても手を出そうとは思えないものです。
しかしながら、ステルスマーケティングというのはなくなりません。
もともと許されない行為である上に、とてもリスキーな行為でもあるのですが、なぜステルスマーケティングがなくならないのでしょうか。
答えはシンプルです。企業はステルスマーケティングをすることによって儲けることができますし、消費者は消費者で口コミや評判といったものを求めているのです。
また、嘘の口コミや評判を書くだけでお金がもらえるのであれば、それをいいお小遣い稼ぎと思う方も多いのです。
結局、ステルスマーケティングで得をする人間がいるからこそ、ステルスマーケティングはなくならないのです。
ステルスマーケティングはリスキーな行為なのですが、あまりにも数が多くひとつひとつを検挙していくのはまず無理です。
放置せざるを得ないような状態になっているとも言えるでしょう。
実際に、ホームページも持っていないような小さなお店が売買サイトを通じて匿名のまま匿名の相手に口コミや評判の作成を依頼すれば、それは誰にも知られることなく、インターネット上では信頼できる口コミや評判のひとつとして判断されるようになるのです。
こういった例は山ほどあります。
ステルスマーケティングも巧妙化してきている
ステルスマーケティングというのは比較的わかりやすいものが多く、今でも明らかなステルスマーケティングというのはあります。
しかしながら、最近ではステルスマーケティングも巧妙化してきています。
いいところばかりを述べるのではなく、あえてデメリットを述べるリアルな口コミや評判といったものが多くなっているのです。
そのため、本当の口コミや評判とステルスマーケティングの口コミや評判というものがどんどん見分けがつかなくなっています。
それでなくともインターネット上には数多くの情報が氾濫していますので、消費者が受動的に情報を受け止めていくのではなく、能動的に情報を精査していかなけければいけない時代になっているのです。