経営者の方にとって従業員のキャリアアップというのは、重要なポイントです。
従業員のキャリアアップを支援してくれる助成金にもいろいろなものがありますが、新人教育や新技術の習得などを検討しているのであればキャリア形成促進助成金がいいでしょう。
ここでは、経営者の方であれば絶対に理解しておきたいキャリア形成促進助成金についてお話ししていきたいと思います。
この記事の全体像
そもそもキャリア形成促進助成金とは?
キャリア形成促進助成金というのは、基本的には中小企業の経営者の方に向けた助成金になります。
従業員の訓練や研修受講を対象としています。
規定通りに訓練計画を立てて、それを期限内に申請して、計画通りに受講を完了させれば、受給できる可能性の高い助成金になります。
従業員が仕事につながる専門的なスキルや知識を身につけるためには、計画的な研修や訓練といったものが欠かせません。
しかしながら、経営者の方はそのための費用を出さなければいけません。訓練経費や賃金などが必要になってくるのですが、その一部を助成してくれるのがキャリア形成促進助成金なのです。
従業員の技術や技能、知識の向上のために取り組んでいる、もしくは取り組むための計画があるという企業であれば、キャリア形成促進助成金は大いに役立ってくれるでしょう。
ちなみに、研修や訓練に必要な費用というのは、企業が先に全額を支払うことになります。
訓練完了後に支給請求をして、条件を満たしていれば助成金が支払われるという流れになります。
キャリア形成促進助成金は、平成29年4月1日から「人材開発支援助成金」と名前が変更になっていますので、その点は注意しておきましょう。
キャリア形成促進助成金の対象となる訓練
キャリア形成促進助成金の対象となる訓練は4つのコースにわかれています。
特定訓練コース、一般訓練コース、キャリア形成支援制度導入コース、職業能力検定制度導入コースの4つになります。
すべてに共通しているのは原則として20時間以上で業務と深い関連性のある訓練や研修であるということです。
コースによって助成金額や助成率というのは違ってきます。
特定訓練コースでは採用5年以内で35 歳未満の若年労働者への訓練や職業能力開発促進センターなどが実施する在職者訓練といったものが、
一般訓練コースでは職務に関連した専門的な知識や技能を習得させる訓練といったものが、
キャリア形成支援制度導入コースではセルフ・キャリアドック制度や教育訓練休暇等制度などの導入&実施といったものが、
職業能力検定制度導入コースでは技能検定に合格した従業員への報奨金の支給や社内検定制度などの導入&実施といったものが対象になってきます。
キャリア形成促進助成金を受けるためには
キャリア形成促進助成金を受けるためには、まず事業内職業能力訓練計画の作成と職業能力開発推進者の選任をしなければいけません。
次に、キャリア形成促進助成金訓練実施計画届の提出をおこなうことになります。
これは原則として訓練がスタートする1ヶ月前までに各都道府県の労働局などへ提出します。
登記簿謄本や年間職業能力開発計画などの書類も必要になります。
その後、実際に訓練を実施していきます。
訓練終了後2か月以内にキャリア形成促進助成金支給申請書の提出をおこないます。
このとき、支給要件確認申立書や賃金・経費助成の内訳、経費全額を事業主が支払済と証明する領収書などが必要になってきますので、注意しておきましょう。
提出後には審査がおこなわれ、そこで支給の有無が決定します。支給の決定が出れば、助成金が支給されるというわけです。
ただ、キャリア形成促進助成金を受けるための手続きというのはコースによって違う部分もあります。
支給を受けたいのであれば、どのコースでどのような手続きが必要なのかを事前にしっかりと調べておきましょう。
金銭面のメリットだけではない
キャリア形成促進助成金に対して、「助成金が支給されてお金の面で助かる」という感覚の方も多いのではないでしょうか。
確かに経営者の方にとってお金の問題というのは、本当に大きなものです。
しかしながら、キャリア形成促進助成金のメリットというのは金銭面だけではありません。
というのも、キャリア形成促進助成金を利用することによって、新しい角度から物事が見られるようになります。
実際に、キャリア形成促進助成金の支給を受けるという経験だけでも経営者の方にとっては大きなプラスになります。
助成金をきっかけに新しい事業展開などを考えられる部分もあるのではないでしょうか。
積極的に活用していきたいものです。